【映画】加藤周一 ドキュメンタリー映画「しかし それだけではない。 加藤周一 幽霊と語る」

加藤さんの話を聞く形。後半一部講演会。前半は彼の年表にそって、その時々の出来事と考えを聞く。最終的に今にいたり、憲法9条の会の話になる。

能の話、能は文化的なものを見ているのではなく、舞台で「今」おきている許されぬ恋や戦。見に来る人は歴史ではなく、彼ら自身を見にくる。


「今=ここ」文化を定義すること。


加藤さんの大学時代までは戦争下、その頃の、自分の未来の不確かさについて。そこからリンクして、源実朝の歌、金槐和歌集と海の歌。実朝の歌の根底にある「未来はない」感と、加藤さんの戦争下の体験による「強制的に権力によって未来が奪われる」感とのリンク。


世界の多数派が、日本の中では少数派である場合のこと。反戦的思想を持つ人間とそうでない人間。加藤周一が大学時代に影響を受けた2人の大学教授の話。渡辺一夫先生と、かんだせんせい(?)。渡辺一先生:批判することによって相手に生まれる憎悪を越える、自分の属する国や状況への関心。どちらでもいいとはいわない。


過去から未来まで、一貫した意見を渡辺先生は持つだろう。同じように幽霊も意見が変わらないのだ。


終戦。抑圧を感じていたものにのみ、解放がある。反戦的な考えを持ったものの少ない状況下。外国語でベンチに言葉が掘られていた。Et in terra pax hominibus bonae voluntatis. 地には平和を。周りには自分の気持ちの表現を受け取ってくれる人がいない者のつぶやき、もしかしたら、誰かが読むだろう、読んでわかった人には、1人ではないという感じを持ってもらえる、かも。例外的人間は、しかし、1人ではない。


サバイバルコンプレックス、生き延びた後ろめたさ。死の不条理。


「これはあったかいですよ。私のいない間お使いになってもいいですよ」(マフラー)


老人と若者の未来の講演会 東京大学。若者と老人が手を組めば、平和を維持できると考える理由。・日本で全員一致の傾向は戦後に作られたのか?・愛国心をどう定義するか?それらに対する加藤周一の考え。(メモ 彼が憎悪し、愚劣だと考えるもの(すごい剣幕))


武力は武力ではなくせない。
「今も生きる死者を再び殺すな。」


戦争。もっと豊かになって、金を得て、何になる? 「何もないでしょう」


ひとつの意識を通してのみ、世界は意味を持つ。「個人の意識が全世界に意味を与えることが出来る」


このまま永久に続くとは思わない。社会が変わっていきそうな雰囲気。しかし、閉塞感、表現の仕方を知らない。面白いじゃすまないのが未来。不平等感が背景にある今。


明治維新以来、日本人が失ったものと、代償にしたものについて。それこそが敵、何が敵かを知れ。そして意識せよ。正しく、歴史、事実の組み合わせを認識せよ。


「死」による完全なる平等。死の先。