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「大丈夫だよ」 彼女はそういうと、 終わりそうな夜のように微笑んだ。

紅茶

何かが終わりを告げて 過去になっても この身体で生き続けていて 遠い記憶になったことも ふとした瞬間 時を巻き戻してしまうの 時がたてば忘れていくでしょう そう誰かが言ってたのに 君が好きだった紅茶の味は なかなかうすまらないみたいだよ 季節と一緒…

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私達は向かい合う時、プロセスの中で協力者だ。 役割は違っても、共同の作業をしている。 目的は発見すること、よりよくすること。 私達は会話のなかで、互いを見つける。 相手を通して自分をみつけ、 自分を通して相手をみつける。 私達は言葉で発見を報告…

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世界は泡の集まったものみたいかもしれない。 あわ【泡】①液体が空気などの気体を含んで丸くふくれたもの。(すぐ消えるところから、はかないものの意によく用いられる) 泡が出来ては消えてを繰り返してる、おおきな泡の玉。 ひとり一人がふくらましている泡…

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ありがとう、世界。 これからも美しい風を吹かせてください。 私がその風を走ってつかまえるから、 ハーモニーに乗ることを許可してください。

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部屋に一輪の花。 サンゴ色のやわからなつぼみは開きかけていました。 かすかなりんごのかおりに似て甘い匂い。 (水を飲んでもわたしは潤うだけ。 花をひらかせようとする力はなに?)

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うつくしい声の人に出会った。その声は、すこし高くて透きって春の風のように吹き抜ける。笑うとその声は海中でふわふわと浮かんでゆく光を受けた泡のようだった。ぷくりぷわぷわきらきらしていて、そんな笑い方をぼくは初めて聞いた。 その人は男性だった。…

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夜は染まる それは不思議な橙色 眠る家も花も犬も みんなそろって橙色さ 静かに眠る街の夜を 街頭がやさしく守っているのさ

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[笑うとは、面白いとは、何だろう?私がおもしろいと思うことをかならずしもみんなが面白いと思うわけではない。その反対も一緒。多くのひとがおもしろいと思う作品は、多くのひとがおもしろいと思う題材を、おもしろいと思える形で手渡してるんだよなぁと思…

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はーい!こんにちは。今日は絵を見にいってきました! 場所はTO OV cafeさんです。(→HP) 位置は中島公園よりすこし北側です。(→ここ!)さて、少し迷いましたがすぐ到着!(よかった〜) 何やら立て看板が・・・ そう!今回の展示はこちらだよ。 pater ex…

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日曜の朝はコーヒーの香り。家族のそれぞれが自由なタイミングで階段から居りてくる。足音で、起きたのは誰か聞き分けることが出来る。階段を下りてくるとき、どれくらい朝食が出来ているのかがわかる。包丁やオーブントースターの音。パンケーキや湯気の上…

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すこしずつ、日出が遅くなってる。 夜の時間が長くなる。 わたしは夜が好きだけど、 もしもあなた、太陽がいなければ この星は冷えきっていたでしょうね。 空気が冷えて、肌に陽のあたたかさを感じる度に 太陽への感謝の気持ちが何度でも生まれます。 ありが…

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わたしにあなたの風が舞い込む 悲しい気持ち 吹き飛ばされた 何かが欠けていると感じているとき 満ち足ることは難しく思えるけれども 肩の力抜いて 視界を広げて それから空気の感触 季節の香りを取り戻したら 簡単なことを難しくしていたのは自分だと知るね…

soup

鍋はくつくつ 笑っているみたい 私はおたまで あくをすくうよ ていねいに 野菜がゆらゆら 踊っているみたい 私はおたまで あくをすくうよ やさしくね 透き通っていくスープ 野菜たちが喜んでいるみたいだ きっとそのぶんだけ 美味しくなってゆくのかもね

今夜明日、台風がくるらしいですよ、とスーパーのお兄さんも言ってた。

「だから、今夜はお家でゆっくりしたらいいですよ」 買い物袋に夕飯の食材をつめる私に、スーパーのお兄さんは買い物かごを補充しながら言うのだった。外の風とは対照的に細めて笑う目はやさしい。 家に帰ってきて調べると本当だった。《北海道には停滞前線…

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女の子の速度 光を簡単に追い越す 飛びまわる星の粒 集めて指先を飾って 笑っている 君が好きだ 手を伸ばしても捕まえられない 届かない 君の気まぐれでもいいから 抱きしめさせて

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話を聞いてたらあの子は泣いてしまった。 押し込んでた悲しさで泣いてしまったみたい。 マツカラの塗られていない黒い細い 睫毛の先からこぼれる涙を 真珠に変えてあげたら あの子は自分で気がついて泣き止んだ。 全てが成長の糧になり悲しいことは何もない…

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秋の初めの夜だった。 ぼくたちは散歩していた。 虫が静かに鳴いて風が心地よい。 あ!流れ星!!!!を!!!! ぼくは流れ星をキャッチした! はじめてだったので驚いた。 おちてきてしまったらしい。 流れ星は小さくて、冷たくて、炭火の残りのようにゆら…

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永遠ばかり探してるよ

加速する波

宇宙を抱きしめたら震えていたよ。 私も震えた!宇宙はいまも膨張していたよ。 私の心も膨張した!相乗し合い、加速する波!

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咲きほこる悲しみを うつくしいという少女は ふんわりそっと口づけた 細めた目を閉じながら ひかりが露にとまるように やわらかなまぶしさで 悲しみをやさしさに変えた

煙草

鼻筋の通った横顔、の唇、吐きだされる煙、のかたち。白さうすまってゆく、きみの呼吸。 その流れを目で すらり指の先、の先にともる、赤の点、の揺らめき。縮まってゆく距離、きみの身体。 その流れをめで

わたしたちのピクルス

すごくすごく眠たくて帰って、浸水するように眠った。起きたら酸っぱいものが食べたくて、ピクルスを食べようと冷蔵庫、あけて瓶を取り出す。けれど、瓶がなかなかあかない。きっと酢が冷える前にふたを閉めたせいだ。ああ目の前にあるのに! 目の前の瓶の中…

髪を切った日。

今日髪を切りにいったよ。先輩がお気に入りの美容室だって聴いて場所を調べたら、以前から通る度にいいなぁと思っていたあの素敵な建物でした。嬉しい。午前中に予約の電話を入れる。これぐらいがいいなぁと思っていた時間をあちらから提案されて風をつかん…

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水のように透明で、柔らかく、かたちがなくても迷うことのない、しなやかなひとにりたい。 せせらぎのように微笑んでいられたらいいなぁ。

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夜空を見上げながらふと、思い出した。 幼い頃、夏休みに祖母の家に遊びにいった時のこと。 祖母は祖父がなくなってからも家を離れずに 庭の手入れやお料理をしながら1人で暮していた。 繊細で優しく、強い人で どんな質問にも答えてくれた。 死んだらどう…

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悲しみは集まると 砂になって積もるから 苦しくて辛くなる 払ってしまえば楽になるのに 一度得た感情を置き去りにしないあなたを 月明かりが見守っています それから目に見えないものたちも あなたを見守っています 泣いてもいいよ でもほんとうは何も悲しく…

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いつも永遠を探してるの 陽炎のように現れます あらゆる変化の中にもそれをみることができるよ そっと息を静めているならば

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グルグル螺旋を描いていて あなたの螺旋と近づいた私達の間にできた空間が縁を知らせる 時計の針は足並みを揃えているけれど それが何を意味するだろうか 見た目に騙されてはいけない 私達は時間に束縛されない 空間や時間を伸縮させることができる その力を…