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ピアノの音楽を聴いてる。色が広がる、線が延びる、音の曲線が細くなったり太く広がったり、新体操のリボンのよう、クルクル飛びまわりながら宙がキャンパスで形の残らない絵のよう、波と水になった、光、煌めき花火の流れ星みたいに、色を変えながら、きれい、風になびくフレーズ、自ら動くフレーズ、いまはこちらが景色背景で、こちらがメインね、うっとり、撫でるようにあたたかい、遠くなる、何もない水面のしずくみたい、まるくなった、それ自体の色と反射する色、まるく、まるく。あ、終わってしまった。私は音楽をみていた。