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通り抜けるにはもったいない
味わうためにゆっくり漕ごう
ペダルを数回踏んだら
慣性に任せてすすめ


(私は時間を調節する)


夏の夜は香りが多い
森の緑 白い花
ゆっくりすいこむの
深くすいこむ
深く満たされれる いのち


(私は感覚を調節する)


風が私の頭を撫でて
やさしく手櫛する
私は体の仕切りをとって
意識を拡大する
風の中に入ってみる
風になる


(私は区切りを調節する)


それが私
の夏
の夜
の遊び