メモ:NHK「ザソングライターズ」岸田繁・後半
『魔法のじゅうたん』と『東京』の一節からはじまる2つのワークショップと
学生からの質疑応答の内容のメモ。
《ワークショップ》
課題『魔法のじゅうたん』の「君のこと沢山 知ってるつもりだったな」
この一行からはじまる4行詩を会場の学生の言葉から選んで完成させる。
一行目
「君のこと沢山 知ってるつもりだったな」
二行目
●「タンスの中も携帯の中も」←採用(続きが想像できる)
岸田:この最初の君がおかんでも言い訳で
佐野:自由に考えてゆけばいい
岸田:三行目は起承転結の点ってわけで、事件が起こる感じがいい
三行目
「虫食いだらけだけれど」
「良いにおいするから」
●「ベッドのしたのエッチな本も」←
四行目
「全部纏めてゴミ袋」
「おおきな怪獣に食わせちまおう」
●「開いて干して食べてしまおう」←
完成
君のこと沢山 知ってるつもりだったな
タンスの中も携帯の中も
ベッドのしたのエッチな本も
開いて干して食べてしまおう
その場で即興の曲をつける。
岸田:メロディーで言葉の響き方も変わる
(この詩に対しては)からっとしてる方がいい
課題2『東京』
「東京の街に出てきました」から8行の詩にする
2行目
●「高円寺の駅前広場には」←(岸田:具体的でいい。高円寺って言うのもロックぽくていい)
「いつもとおなじ満員電車」
「というのも 訳があるのです」
「父さん母さん元気にしていますか」
3行目
「虹色に光る油が綺麗で」
●「ハチ公はいませんでした」←(いいですねー)
4行目
●「あれから15年」←(ピンと来ました!名曲の予感です)
5行目
「まだ財布の中身は空っぽさ」
「僕は東京にたどり着きたい」
●「小さなスナックではたらく私は」←
6行目
「ポメラニアンを飼っている」
「まだハチ公を探してる」
「マイルドセブンをすっている」
佐野:妥当に纏めようと言う意志を感じますよ、自由な発想を
●「超能力を覚えました」←(これにします!!)
岸田:ぼくはマイルドセブンが妥当かなと思って、
この先にいいのがきたらハマると思いましたが、
みなさん面白い言葉が出てくるので、
超能力にします!名曲の予感です。
7行目
「あなたがどこにいるのかわかります」
「よろしく東京さよなら故郷」←
佐野:最後は岸田さんに纏めてもらおうと思います
岸田:こうゆうときは頭から書いた方がいいんですよね
といって、小さすぎない文字で紙に書いて纏める。
「もう一度あなたに会えました」
これに対して意見ある人いますか?
●「やりたいようにやってくわ」←これがいい
岸田:これの方がいい。なぜかというと、罵声の雰囲気がある
スタイルがシュットしてていい
まとめ
東京の街に出てきました
高円寺の駅前広場には
ハチ公はいませんでした
あれから15年
小さなスナックで働く私は
超能力を覚えました
よろしく東京さよなら故郷
やりたいようにやってくわ
(曲を即興でつけ披露)
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《学生からの質問》
Q「岸田さんにとってのロックンロールとは」
ーロックンロールはジャンルの名前であって、
具体的な人たちの音楽を意味するところで、
僕はそうゆう意味でロックンロールをとらえたかった。
文学的な意味ではなく。
ロックを変わった方法でやりたくて、どだいはロックンロールだけれど、
今までなかったロックをしたいと思ってて。
Q「日本語によるロック表現についてどう思うか」
ー日本語で書いて英語の方がカッコいいほうが良いと思う時はあるけれど、
普段は英語で考えてないからできなくて、日本語で書いていきたいと思う。
日本語でロックをやるなんておかしな話だから、とことんやっていきたいと思う。