NHK日曜美術館 夢のミレー ミレー傑作選 メモ

《メモ》
1.落ち穂拾い
2.種をまく人(1850)
 冬小麦をまく男性の絵、男性は右手に種をもっており、握った手からこぼれている。
  遠くまで撒こうとする握力で握ると、こぼれてしまうのです。
  今日一日で、ここまで撒ききってしまおう、という風だ。
  食べ物を作るのは任せておけ!という気迫が感じられる(木村秋則さん)


ミレー:19歳から絵をかきはじめ、25歳から画家になる。絵でたべて行くためにはサロンで認められること。歴史画がメインであったので、ミレーの絵は保守的な批評家から批判を受ける。


(1800→1850年で、パリの人口は2倍。出稼ぎの人たちはふるさとの記憶を持って出てきており、ふるさとが無意識にある。現実表現は民衆の無意識でもある。ミレーの絵画は今日我々が考える農民ではなく、無意識的ではないか。)


3.晩鐘
 夕暮れ時に作業の手を休め、祈る夫婦。農夫婦は畑で死者のために祈っていた。ミレーは記憶をもとに描いた。美しさと、現実。足元にはジャガイモが転がっている。収穫に感謝し大地にも祈りを捧げている。
馬鈴薯植え
  ジャガイモを描くのは下品だとされていたが、「画題自体には貴賎はない」とミレーは考えていた。
4.鏡の前のアントワネット・エーベル
 奥さんと死に別れ、失意の時に友達の娘があまりにもかわいかったので描いたもの。


5.乳しぼりの女
  故郷の姉をモデルと言われる。ほとんど描かれていない横顔
6.ランプの下でで裁縫をする女
7.羊飼いの少女
 ミレーの生前もっとも称賛を受けた作品、羊の前で編み物をしている絵。
8.ボーリーヌの肖像
 奥さんの肖像画


なぜ顔がハッキリと描かれていないのか
農民そのものの普遍的なイメージを描くため「美とは顔の美しさの中にあるのではない(伝記)」

小島一郎/写真家 との共通点 農民の顔を映さない 自然の中で生きる人への畏敬の念


9.グレヴィルの断崖
少年時代にたびたび訪れたお思いでの場所、ふるさとを描いた風景画。パステルを用いている。崖に寝そべる人。


バルビゾン村:ミレーが死ぬまで住んだ村
テオドール・ルソー、親友。ミレーが支えた。フォンテーヌ・ブローの森にあるミレーとルソーの石碑。ルソーは病でなくなり、ミレーはショックを受ける。絵も描けない、精神力が必要なのだが。。。
天国のルソーに送る絵を描きたいとかけたのが春、数年の歳月


10.春
裏庭の春の情景。真ん中にはルソーと守った思い出の森。(虹はキリスト教では天と地を結ぶ架け橋)この絵を仕上げて二年後にミレーも息を引き取る。


NHK日曜美術館 「夢のミレー 傑作10選」

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Qメモ
春好きだ。本物観にいきたい・・・・オルセー所蔵か。
裏の庭、光の中、ルソーが遊びにきているよう。(やばい・・・。)絵にあらわれているミレーの感覚の豊かさが、彼の乗り越えようとした悲しみの深さを逆に思わずに居られなくて、泣きそうになる。

・生活/農民/台所/自然/人の生活の営み