日記

あたたかい。空気が柔らかい。空気の中の水分が増えたために視界が白く霞んでいます。天気は晴れのお昼前。外に出た瞬間から私の心は浮き立ちました。霞が出る日なんて最高です。いつもとすこし違う風景は、新しいことを発見させてくれます。同じ街にいながら、簡単に旅することができるようになるのです。



旅先では刺激がたくさんあります。そして、日常には安心がありますが、見慣れた世界への安心は景色の感触を見落とさせてしまいます。いつもの風景の中には実はまだされていない発見が隠れています。



霞の白さや、夕方・朝方の光は、見慣れた風景をかえてしまいます。私にとってそんな自然の変化は、慣れた街を非日常にする魔法です。たくさんの発見をすることが出来ます。



発見は新しい記憶です。同じ場所で、何重もの記憶を持つことは、「付き合う」「深める」というイメージにピッタリです。私は街と付き合うのが好きなようです。新しい側面を発見出来る機会は最高のデートだと思います。おかげで今日はずっとワクワクしっぱなしでした。普段は真っ青な空が今日はうすいピンクやうすく緑が買った青やいろんな色とグラデーションしていて一瞬一瞬どこを切りとっても素敵でしたし、真っすぐな通りの奥行きもまるですぐ近くのように感じられました。それから、晴れ空で、均一に白いもやがかかっていたせいか、リアルタイムの世界なのに古い記憶の中に生きているようでした。30年前みたいだね、と一緒に歩く人に言いましたら、まだ生まれてないでしょうと言われて私も笑いました。