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頭の中でお香を炊いたら、 煙はのびてぐるりとまわる、 ぐるりと丸にまわり続ける。 その半径は銀河系と同じ。 私の頭におさまっている。

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その日の夜空が灰色だったことは 空を見上げた人の目には明らかでした。 夜の雲は街灯りに照らされて、灰、オレンジ、ピンクと色付きます。 田舎とは逆で都会の夜は、曇った方が明るいです。 すこしの想像力があるならば、 雲の上には星空が広がっていること…

人間に興味がある人間見習い

私の大好きなクッキーを食べてほしいなと思うのは この味をあなたがどう感じるか、知りたいからです。気に入るかもしれないし、嫌いかもしれない。 嫌いならどんな風に嫌いか知りたい、 好きならどんな風に好きか知りたい。 そんなの、めんどくさいかもしれ…

変に力を入れたり、意識をすると、気持ちは引っ込むようにして隠れてしまい、無理に建てた家のような言葉はとても居心地が悪いなぁと思いました。辛い時も、嬉しい時も、悲しい時も、感謝の時も、まっすぐに気持ちをとらえられる澄んだ瞳を持ちたいです。

惹きつける力

その人に似合う服装があるように カップにも似合う飲み物があって、 山の麓で作られたカップは ある日うちにやって来た。 それから毎日つがれたコーヒー あれから何年たったのだろう しみ込んだ跡が模様のになって。 カップはとても魅力的だ。 魅力とはなん…

津軽海峡

空は一刻一刻色を変えて、見飽きることがありません。 左寄り、水平線の向こう側に写っている島は青森です。 空には鳥が1羽飛んでいます。

HELLO

若くて可愛い男の子がある女の子に恋をしてる、 その女の子は歳上の素敵な男の人に惹かれている。 風はしずかに草を揺らして、草は露を大地に落とす。 雲はやさしく雪を降らせて、私たちは雪に微笑む。 こうやって世界を恋しく思う引力は、 地球の重力や自転…

読む、解く。

ヒントにアクセスせよ。 それはあなたの角度に反射したサインである。 面に反射する光を受ける角度は360度ではない。 そこには有効な情報が記されている。 現時点で最大の好奇心を持って解読せよ。 暗号は必ずあなたを手助けるだろう。

函館の海

海は凪いで、雲には光がかかって虹になっていました。 水平線の向こうにはぼんやりと青森が見えました。 青森はお天気のよい日にしかみえないのです。 とても静かで遠くで小さく波の音と鳥の声が聞こえました。 じっと、ずっと、みていたくなる景色だったよ。

無作為に選ばれたピース

1 げ ん ひ ことだま え ら たましい め しいてき てきしゅつ しゅつげき げきれい れいこん2 言霊 魂 恣意的 摘出 出撃 激励 霊魂 幻影 閃き 3 言葉は魂の幻影。恣意的たれ。閃きの摘出をするなかれ。出撃を激励するのは霊魂のみぞ。 4 言葉は魂の幻影…

チョコレートとお姫さまの話

むかし、砂漠にお姫さまがいました。それはとても美しいひとでしたから、多くの王様やお金持ちが彼女を一目みたいと、金銀や、豪華な宝石、珍しい宝物をもってお城を訪れました。けれども、お姫さまは、少し困っておりました。プレゼントをくださる気持ちは…

脱皮

透明の蝶がベットで眠るあなたの口から出てきて、 空に飛び立ちあなたの心臓は止まりました。 蝶の輪郭だけは光を反射してキラリと輝きました。 それはうつくしい月の夜でした。 おじさんとおばさんは泣いていました。 私は蝶を見送ります。 さよなら さよな…

頭痛/散歩

モーメンさんは、柔らかなで毛で覆われた顔を両手で挟んでじっとしていました。頭が痛くてうなだれているのです。あたまの中の虫の活動に変化が起きたことが原因でした。虫の名前はゆらり虫で普段から体の中にすんでいますが、餌によって活動に変化があらわ…

音楽ジャム。

トマトジャムの瓶のふたがあかないのです。 何度空けようとしても、あたためてもふたがあかないのです。開封されない瓶の中のジャムは、ガラスの外から観察されるだけです。あかい。クレヨンで書いたトマトや、冷蔵庫で隣に並ぶイチゴジャムのようにハッキリ…

遊びませう

人と一緒に楽しめるツールには魅力を感じる。 一緒に楽しむということだけを抜き出したら、 それは純粋な「遊び」な気がする。 私は遊びに魅力を感じていたみたいだ。 人と一緒にというだけで、何が起きるかわからない、それが遊び。

紅茶ねずみ

長老はとても大きなホーローのカップを使っています。どうして?とききましたら、もし紅茶がカップからあふれると街が大洪水になるからね、ちいさなカップは危ないだろう?と長老はやさしくこたえました。それでも、まちがって溢れさせてしまうことがあるの…

炎は魔力を持っている 飼いならされた火は魔力を失う 本来の炎は魔力を持っている 失った力は取り戻すことが出来る

街を見てまわった日

人には慣れ親しんだ 記憶を愛する性質があるらしい 人々が生活する街と こえてゆく季節 また日が短くなってきたよ 首都より緯度が高いこの街は 夏は日がながく 冬は日がとても短いのです 私はふと 私の街の様子を あなたに届けたいなぁと思う 同時に あなた…

願い

理想を求めて 右手で振り上げる 握ったニードルで 目の前 不和の石を削れば 一方では平穏の空を砕いた 壊すことでは 作られないの 夢みることで 滅んでゆくから つよく願うエネルギーが必要よ 解放してプリズムに光り集めて しあわせを求めて 壊すことでは築…

伝え通じるということ

僕はスリランカに住んでいる。 34歳で仕事はインフラ系。 会社の転勤でここに住みはじめて3年目だ。 もう日本に帰りたい。 奥さんとこどもが東京に住んでいるのだ。 ここの人たちは親切で自然だって美しい。 けれど。 もう帰りたいのだ。 決して器用な方で…

今日は曇りだよ

湿った冷たい空気 気持よいです 肌もキュッとしてる 寒いくらい 温かさを求めたい その感覚が心地よいです

どろり

かみつくの 受け止めて 無抵抗の 歯形から こぼれる 闇の滴るの みた

おうごんのきせつ

なぜなの? 秋の入り口は苦しくて 考えるよ 秋の意味 高い雲 涼しい風 短くなりゆく陽の長さ 乾いた草の香 つぎの始まりはいまの終わり 痺れる声の蝉も 美しい羽の蝶も 朝ひらく朝顔も みんなどこ? 姿は見えなくて まぶしい季節に 生を使い切った 君たちを…

桔梗駅

この駅で毎朝汽車を待ってたんだよ 道南の人はJRのことを汽車と呼びます そして市電が電車 札幌に住みだして 使わない語彙に愛着を その語彙のない生活に寂しさを 感じることがあります (少しだけ、ね。)

振返ったら もういなくて 本当だったったのか 証明なんて なにもないのです 印象だけが 不気味にもはっきり残っていて 夢だったのか 月は見ていたのだろうか

先にたたず

想像力を欠いた人間は 恐ろしいことを平気でしてきた遠くの街に対しても 大切な人に対しても 明日の自分に対しても

一瞬の無言

ゴマンといるさ、と君はいった。 そして別の話に移っていった。 ぼくはゴマンと居る中の1人に価値を感じていた。

ちをめぐるぼうけん

満ちて電流が突き示せば 柔らかい風で削りだせ 鋭い重さで解き放て 変化するものを 浸食されない硬度 永遠の石に変えろ 産み落としたら そのままに去れ 説明なんていらない 理由なんて知らない 繋がりは別の層で邂逅してる 体を引き連れて次へゆらゆら

古いお家の壁

しろい壁とくろい窓枠 (世界との関係が不思議で仕方ない。 何故惹かれるの。 魅惑するものとの関係はなに。 そんなふうにして街を見渡すと 繋がりは未確定で根拠は見えない角度に隠されてる。 世界は世界を定義しない。)